Step1: 冷却したいボックスについての情報を集めます
● 盤内の発熱量P(W)又は、盤内実測最高温度(℃)
● 盤の表面積A(m2)(床面積を除きます)
● 温盤の材質における熱貫流率K*
● 温度差凾(盤周辺温度から盤内の許容温度を引いて下さい)
*熱貫流率とは・・・・
熱が材料を通して温度の高い空間から低い空間へ伝わる現象を熱貫流といい、そのときの「熱の伝わりやすさ」を表す数値を熱貫流率と言います。この数値が小さいほど熱を伝えにくく、断熱性能が高くなります。(一般的に、金属製筺体の場合≒5.5 樹脂製筺体の場合≒3.7として計算します)
 
 
Step2: 伝導熱量P1を求めます
 伝導熱量P1=熱貫流率K×温度差凾煤~盤表面積A
 
 
Step3: 総発熱量を求めます
 総発熱量(W)=盤内総発熱量P(W)+伝導熱量P1
 
 
Step4: 安全率と型式選定
型式の選定に当たっては入気温度、盤の取り付け位置、環境、機器配置、密閉度、温度計測等によるロス(効率80%〜90%)を考慮します。
@ Step3で算出した値を基にして、ロスを含めた総発熱量(W)を求めます
 総発熱量(W)÷(0.8〜0.9)=ロスを含めた総発熱量(W)
 
A 使用できる圧縮空気圧力を確認し、キャビネット・クーラーの機種を選定します
供給可能な圧縮空気圧を入力し、リストボックスからキャビネット・クーラーの機種を選択することで供給圧力下における機種毎の冷却能力がわかります。
最適な機種を選定してください。
※圧縮空気の圧力は元圧でなく末端圧です。
※キャビネット・クーラー各機種毎に各使用圧力下での空気消費量をご確認ください。
 
 
熱量算出例@ ボックス内の発熱量から算出する
 
Step1: ●盤内の発熱量P(W)       → 140W
●盤の表面積A(m2)       → 幅1000mmX高さ2000mmX奥行き500mm=6.5m2
●盤の材質における熱貫流率K  → 金属製の為≒5.5
●温度差凾煤@→ 周辺温度37℃ → 盤内許容温度32℃  37-32=5
 
 
Step2: 伝導熱量P1 = 熱貫流率K×温度差凾煤~盤表面積A
      = 5.5×5×6.5
      = 179(W)
 
 
Step3: 総発熱量(W) = 盤内総発熱量P(W)+伝導熱量P1
       = 140+179
       = 319(W)
 
 
Step4:
@ ロスを含めた総発熱量(W)
 = 総発熱量(W)÷(0.8) (ここでは、ロスの係数を0.8として計算しています。)
 = 319÷0.8
 = 399(W)
 
A 使用できる圧縮空気圧力を確認し、キャビネット・クーラーの機種を選定します。
 
リストボックスより、圧縮空気圧力を0.4Mpaあるならば195-CC を選定できます。
また非密閉型制御盤では使用可能な圧縮空気圧力が0.7Mpaの場合は190-75SVを選定できます。
 
 
 
熱量算出例A ボックス内の温度実測から算出する
 
Step1: ●盤内の実測最高温度      → 41℃
●盤の表面積A(m2)        → 幅1000mmX高さ2000mmX奥行き500mm=6.5m2
●盤の材質における熱貫流率K   → 金属製の為≒5.5
●温度差凾煤@→ 周辺温度37℃ → 盤内許容温度32℃  37-32=5
 
 
Step2: 内部発熱量Pを求めます。
 
内部発熱量P = 熱貫流率K×(盤内最高実測温度−周辺温度)×盤表面積A
       = 5.5×(41-37)×6.5
       = 143(W)
 
 
Step3: 伝導熱量P1 = 熱貫流率K×温度差凾煤~盤表面積A
      = 5.5×5×6.5
      = 179(W)
 
 
Step4: 総発熱量(W) = 盤内総発熱量P(W)+伝導熱量P1
       = 143+179
       = 322(W)
 
 
熱量算出例B 屋外にある制御盤(BOX)の熱量算出方法
 
屋外にある制御盤(BOX)の場合は、真夏の直射日光による侵入熱量を考慮してください。
直射日光による侵入熱量の比率は、一般的に天井部:100% 東側面部:約10% 西側面部:約50% 
南側面部:約15% 北側面部:約10%と想定できます。
 
計算式は、
総発熱量(W) = 盤内総発熱量P(W)+侵入熱量P1(w)
*侵入熱量P1(W) = 制御盤天上部からの侵入熱量P1t(W)+制御盤側面からの侵入熱量P1s(W)
 
Step1: ●盤内の発熱量P(W)      → 140W
●盤の各面の表面積A(m2)   → 幅1000mmX高さ2000mmX奥行き500mm
●盤の材質における熱貫流率K → 金属製の為≒5.5
●制御盤の向き        → 南向き
 
 
Step2: 天井部からの侵入熱量P1t(W)を求めます。
 
P1t(W)=熱貫流率K×儺×制御盤天上部面積
*儺=真夏の直射日光による制御盤の壁面の温度と制御盤内部の制御温度の差
(20℃〜30℃が一般的です。ここでは30℃を係数として使用します。)
 
P1t(W) = 5.5×30×(1×0.5)= 82.5
 
 
Step3: 側面部からの侵入熱量P1s(W)を求めます。
 
P1s(W) = 熱貫流率K×儺×側面部面積×侵入熱比率(%)
P1s(W) = 5.5×30×(1×2×0.15+1×2×0.1+2×0.5×0.1+2×0.5×0.5)
    = 181.5
 
 
Step4:
総発熱量を求めます。

総発熱量(W) = 盤内総発熱量P(W)+侵入熱量P1t(W)+侵入熱量P1s(W)
      = 140+82.5+181.5
      = 414(W)
 
@ ロスを含めた総発熱量(W)
 = 総発熱量(W)÷(0.8) (ここでは、ロスの係数を0.8として計算しています。)
 = 414÷0.8
 = 517.5(W)
 
A 使用できる圧縮空気圧力を確認し、キャビネット・クーラーの機種を選定します。
 
リストボックスより、圧縮空気圧力が0.6Mpaにおいて195-CCが選定できることがわかります。
 
 
最後に
 
上記において求められた必要変換熱量は、計算式に基づく値です。
現場では様々な要素が複雑に影響するため、この値はひとつの指標とみなしてください。
私どもでは、過去の経験と実績から状況に即したアドバイスも可能です。
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